子どもたちの本当に素晴らしい作品に接することのできる、このコンテストの審査をするのが毎年楽しみで仕方ありません。
低年齢では技術力はなくても、紙一杯に塗りこめられた思いが強い絵、絵は薄くても思い切り自分の思いを表現している絵があったりと様々な作品があり、見る者の心に響くような、楽しいと思う作品が多く、毎回選ぶのに苦労をします。ただどの作品を選んでもハズレはありません。

子どもたちの絵はどうしてこんなに力強く美しいのか、彼らの作品は色彩や表現がこんなにも豊かだと感じます。私は大学教授という教育者の立場のため、美術大学の入試では技術的に上手い絵から選ばれますが、それでは作家や画家としてやっていけません。上手い人が絵を描くとすべて同じような絵になり、つまらない作品になるのです。

子どもたちの作品は技術的には大人には及ばないかもしれませんが、大人にはない感性の豊かさを痛感させられます。将来選ばれた作品の作者たちや同じような子どもたちが、美しい地球を守っていく担い手になっていくのだと考えさせられました。

このコンテストは子どもたちから教えられることがたくさんあり、大人にも課題を与えてくれるので、大人の方にも是非見ていただきたいです。きっと彼らのメッセージが心に響き、有意義な時間を過ごせると思います。